ぬいぬいにゃんこです。
ブログにお越しいただきありがとうございます。
家庭用ミシンと比べてパワーもあるし、縫うスピードも速い職業用ミシン。
「今は家庭用ミシンを使っているけれど、いつかは職業用ミシンに替えたい」、と憧れを抱いている方も多いことでしょう。
しかし、職業用ミシンと家庭用ミシンとを併用している方が多いことをご存知でしょうか?
それは家庭用ミシンではできるけれど、職業用ミシンではできないことがあるからです。
今回は職業用ミシンだからできること・職業用ミシンではできないことをまとめました。ミシン選びの参考になれば幸いです。
職業用ミシンとは?
職業用ミシンは、服飾系の学生さんや在宅で縫う仕事をしている方向けのミシンです。趣味で縫われている方が、本格的に洋裁を始めるために購入されることもあります。
「直線縫い」に特化したミシンなので、直線縫いしかできません。その分スピードとパワーがあります。
職業用ミシンと家庭用ミシンの違い
ここからは職業用ミシンだからできること・できないことを見ていきましょう。家庭用ミシンとの比較もしていますよ〜
職業用ミシンだからできること
①縫うスピードが速い
職業用ミシンは直線しか縫えませんが、その分縫うスピードが速いです。
そのスピードは1分間で1200~1500針。
一般的な家庭用ミシンだと1分間に500~600針。
私が知る限り、家庭用で一番早いものでも1000針です。
一針2mmとして計算すると、1分間で縫える距離は
職業用→2mm×1200針=2400mm
家庭用→2mm×600針=1200mm
となります。
その差はなんと2倍!
この差は仕事の効率にも響いてきます。
単純計算ですが、家庭用ミシンだと一着縫うのに3時間かかるものを職業用で縫えば1.5時間で終わる訳です。
というわけでプロは職業用ミシンを使います。

内職さんやフリーランスの方だと、
「一着◯円」の契約なのでどんどん縫っていかないと仕事になりません。
いかに早く綺麗に縫うかが重要なのです!
②厚地に強い
職業用ミシンのモーターは家庭用ミシンのものの1.5〜2倍の大きさがあります。その分パワーがあって、厚地もガンガン縫うことができます。
例えばGパンの裾上げをする際、生地が6重に重なる部分があります(特に股の内側)。
ここを家庭用ミシンで縫おうとしても厚すぎて進みません。無理矢理縫おうものなら針がボキッと折れるのは目に見えてます。
職業用ミシンなら、木槌で叩いて厚さを減らしておけばジーンス6枚重ねも縫うことができます。(スピード出して縫うと危ないですが。)
ミシンを車に例えると、
家庭用ミシン=軽自動車
職業用ミシン=普通車
工業用ミシン=大型トラック です。
家庭用ミシンで厚地を縫うのは、軽自動車に大人4人乗ってアクセル全開で坂を登っているようなものです。
ミシンにかなりの負荷がかかってます。

安い家庭用ミシンの通販で、
「デニム◯枚重ねもスイスイ縫えます」的なセールストークをよく見ますが、真似するとミシンがすぐ壊れます(泣)
厚地を縫うことが多いなら職業用ミシンの方がいいですよ♪
③故障が少ない
職業用ミシンは家庭用ミシンに比べると故障が少ないです。ガンガン縫う方向けのミシンなので頑丈な作りになっています。(雑に扱わなければの話ですが…)
職業用ミシンは工業用ミシンをベースに作られています。なので、ボビンも釜(ボビンを入れるところ)もオール金属製です。
スピードが出るので金属じゃないとダメなんです。プラスチックだとすぐ摩耗しちゃいますからね。
それに、職業用ミシンはモデルチェンジしても内部構造や部品はそんなに変わってないことが多いので点検・修理しながら長く使うことができます。

私が修理をお願いしているミシン屋のおじさん曰く、職業用ミシンは基盤・モーター以外の故障はどうにか直せるそうです(直せるかどうかはミシン屋さんによりますね)。
職業用ミシンを使い始めて約20年。基盤が壊れて修理できず買い換えたことはありますが、部品が手に入らず修理できなかったことは今のところありません。
④工業用ミシンのアタッチメントが使える
職業用ミシンだと、工業用ミシン用のアタッチメントが使えます(全部が全部使えるわけではないんですが…)。
アタッチメントとは、生産効率アップのために使う専用ガイドや押さえのことです。
縫製工場では縫う部分や素材に合わせて専用の押さえを使ったり、ラッパ(溝に生地をセットすれば勝手に三つ巻きにしてくれるもの)を使うことが多々あります。
ガイドに生地の端を沿わせるだけで均等な幅のステッチがかけられる「段付き押さえ」や、縫い目の大きさと糸調子を調整すれば均等なギャザーがかけられる「ギャザー押さえ」等々ありまして、私もこの二つはよく使ってます。

アタッチメントは家庭用ミシンにもありますが、種類が限られていますね…。
アタッチメントの活用で速く綺麗に縫うことができるなら、使わない手はないですよね♪
職業用ミシンではできないこと
ここからは職業用ミシンではできないことを解説します。ここをカバーするために家庭用ミシンも持ってる方が多いです。
①ジグザク縫いができない
何度も言っておりますが、職業用ミシンは直線専用です。
ジグザグ縫いができないので、生地端の始末はロックミシンもしくは家庭用ミシンでします。(袋縫いや折伏せ縫いだったらロックミシンや家庭用ミシン不要。)
ボタンホールも職業用ミシン単体ではできないので、別売りのアタッチメント(ボタンホーラー)を使うか家庭用ミシンですることになります。
ボタンホーラーとはこんなものです↓
ボタンホーラーはミシンへの取り付けが少し面倒ですし、作れる穴の大きさも決まっています。
家庭用ミシンだと押さえ金を変えて模様縫いでボタンホールを選べば、後はボタンに合わせてミシンが勝手に縫ってくれるんですけどね…
職業用ミシン持ってるけど、ボタンホール専用に家庭用ミシンも持ってる方は結構いらっしゃいます。
②自動糸調子機能がない&下糸はボビンケース必要
家庭用ミシンだとほぼほぼ当たり前についている自動糸調子機能。
これは職業用ミシンにはありません。
下糸も水平釜ではなく垂直釜(針に対して釜が縦についてる)なのでボビンケースが必要です。ボビンケースの糸調子を取るのも手動です。
糸をかけたらすぐ縫える家庭用ミシンと違って、縫う前の下準備に時間がかかるのは確かです。

「糸調子の合わせ方に不安がある」「ボビンケースの扱い方がわからない」とのことで、家庭用ミシンから職業用ミシンへの買い替えを迷っている方が多い様です。
これは使っているうちに覚えるのでそんなに心配しなくてもいいですよ(^○^)
③スタート&ストップはフットコントローラーのみ
今の家庭用ミシンはボタンで操作するのが一般的ですが、職業用ミシンにはそんなものありません。
フットコントローラーで操作します。
なので腰高のテーブルと椅子は必須です。

「職業用ミシン欲しいけどフットコントローラーが怖い」というお声をいただくことがあります。
これも糸調子と同様、使ううちに慣れます。そのうちフットコントローラーでないと縫えないようになります(笑)
家庭用ミシンみたいに縫い始めを勝手にゆっくりにしてくれる機能はついていません。踏んだ分だけ「ダッ」と動くので慣れるまでは確かに怖いです。
どうしても怖いという方は、スピード調整のつまみがついている機種を選ぶといいでしょう(古い機種にはついてないので中古で買う際はご注意ください)。
まとめ
今回は職業用ミシンについてまとめました。
職業用ミシンにもメリット・デメリットがありますが、ガンガン縫いたい方にはメリットの方が大きいと思います。
特に職業用ミシンのスピードとパワーに慣れると、もう家庭用ミシンには戻れなくなります。コンピューターが入ってない分故障もしにくいですし、部品がないから修理できないということも少ないです。

個人的には刺繍機能等いろいろついている高い家庭用ミシンを買うより、職業用ミシンとロックミシンを買った方が長く使えると思ってます。。
ミシンは高い買い物。だからこそ長く使えるものを選んで欲しいです。
みなさまのミシン選びのご参考になれば幸いです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました(=^x^=)
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